放デイブログ

放課後等デイサービスの仕事を楽しみたい全ての人のためのブログです。仕事が楽しくなる福祉の知識などを発信していきます。

「推理」する楽しい支援をしよう🎶

【フクブロ〜福祉を楽しむブログ〜の運営者については以下をご参照ください】

ryouiku-smm.site

 

 

 

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【今日のテーマ】
みなさん今日も福祉のお仕事楽しめましたか?

福祉の仕事をしていてどうしても業務がマンネリ化してしまう原因の一つに毎日お子さんと関わる中でお子さんに療育を提供している中で成長や変化が感じられない

という支援者さんもいらっしゃるかもしれません。

 

その原因として長年同じお子さんと関わっていると、支援者がお子さんを見るポイントが固定化されることが挙げられるかと思います。

 

特にどうしても、支援者という立場になるとお子さんの「難しさやいわゆる問題行動」と言われる部分に注目してしまいやすくなりがちです。

 

 

いうことを聞かないA君
 A君は小学6年生の「自閉症スペクトラムADHD」と診断されているお子さんです。

気分の浮き沈みが激しく、スタッフが準備した遊びや活動にも参加はするがすぐに集中力が切れてしまいます。

スタッフに対しても叩いたり、暴言を吐いたりして毎日注意をされています。
別の放課後デイでも暴力が問題で利用を断られて今は週に5日一つのデイサービスを利用しています。

いつも、「退屈」「早く帰りたい」「自分で帰る」といってスタッフを困らせます。

スタッフと1対1での関わりや、自分が活動の中心にいる時には張り切って頑張ることがあります。

おとなしいお子さんには優しくできたり相手が困っている時にはサポートをするような一面もあります。

集団活動になると、一転活動自体を壊そうとしてしまうので集団活動からは外れてもらっています。

 
放課後デイサービスで長く働いていると、上記のようなお子さんに出会うことも少なくないかと思います。

まず、このお子さんの「難しさや問題行動」に対してのみにフォーカスすると以下のようなスタッフの精神状態になる方もいらっしゃるかと思います。
 
難しさや問題行動のみにフォーカスした場合
 ・スタッフへの暴力や暴言をなんとか止めなくてはならない
 →日々注意をしなきゃいけない
 →注意をするが改善がみられない
 支援者:すごくストレス↑業務が辛くなってくる。

・集団活動の妨害に対して活動から外れてもらっている
  →活動から外れても根本的な解決にはならない
  支援者:せっかく準備した活動を壊そうとする児童に対しての怒り

・「退屈」「早く帰りたい」「自分で帰る」など対応に困る
 支援者:そんな事言われても困る。どうしたらいいのか?
 日々、このような精神状態のなかで働いているとまるで「この子が問題を起こさないように1日を過ごすことができればOK」という気持ちになり

どこかのタイミングで「あれ私なんのために頑張っているの?」と心が辛くなる方もいらっしゃるかもしれません。

次に、問題行動の原因にフォーカスした場合を考えてみます。
 
問題行動の原因にフォーカスする
 ①スタッフへの暴力、暴言に注意しても改善されない
 →注意されることが目的では?

②「退屈」「早く帰りたい」「自分で帰る」などスタッフを困らせる
 →早く帰れないことや自分で帰れる距離じゃないことは理解している
 →本心ではなくてスタッフを困らせたい
 →自分のことを考える時間をスタッフに取らせたい?

③1対1はOK、集団活動では問題行動
 →集団活動では自分への注目が減るから嫌なのかな?

【①〜③の要素を統合して解釈して仮説を立てます。】
A君はとても承認欲求(自分を認めて欲しい欲求)が強いお子さんで、それが叶わない場面では問題行動に転じる可能性が高いのではないか?

【支援方法の仮説】
・A君がリーダーシップを発揮できる取り組みをグループワークや施設内での役割として作り出すと彼の承認欲求を満たせるのではないか?

・時間を約束してスタッフと1対1でコミュニケーションをとる時間を作って「君を見ているよ」のメッセージを与えられないか?

・集団活動を行う前にA君と秘密会議をして、集団活動を盛り上げるような「サクラ」の役割を頼めば「特別感」をA君に与えられないか?


 
 
支援は推理!!仮説と検証で楽しくなる
どうしても日々の支援を安全に、無事に終えることを意識するとその場その場での対応になってしまうのは仕方ないことです。

よく、色々な放課後デイの支援者さんとコミュニケーションをとる中で「私は叱るために支援者になった訳ではないのに」と嘆かれることが少なくありません。

「とりあえず形だけでもお子さんを叱らないと、上司に自分が叱られる」などもよく聞きます。

このような働き方をしているとやはり疲弊してきますよね。

支援は「療育」とも言い換えられます。

「療育」は自分の知識を元にお子さんへの適切な関わりを推理して仮説を立てて検証して行くものです。

この過程が身についてくると本当に支援の仕事が楽しくなります。

ぜひ、チャレンジしてみてください。
 
今日はここまでです☺️

ではでは!!