放デイブログ

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不登校は甘え?それとも?


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今日は「不登校は甘え?それとも?」というテーマです。

放課後等デイサービスにも最近では不登校児童の受け入れを推奨する自治体も増えてきています。

私たち支援者も「不登校児童」の存在を無視できない立場に今後さらになっていくと思います。

不登校問題でよく取り上げられる「不登校は甘えなのか」について一緒に考えて行きましょう。

甘えかどうかは立場によって違う
結論として不登校が「甘え」なのか「甘えではない」のかは誰にもわからないです。

それは学校で起きた出来事一つについてもA君とB君では捉え方が全く違う場合があるからです。

また、大人の価値観では大したことではないが、お子さんの価値観では耐えられないこともあります。
  • 笑って済ませられるA君
  • 辛くて耐えられないB君
  • 過去に同じ経験を乗り越えた大人のCさん
それぞれの価値観の中で「不登校」が「甘え」か「甘えではない」かを論じても答えが出るはずがありません。

 

不登校は甘えと捉えると危険な理由
不登校が「甘え」かどうかは立場によって違います。

しかし確実なのは「甘え」と捉えることはとても危険な考えだということです。

その理由として以下の3つが挙げられます。

①お子さんの居場所がなくなる

 不登校のお子さんにとって、周囲の大人が「学校に行けないのは甘えだ」と捉えてしまうとお子さんが安心して居られる居場所が無くなってしまいます。

保護者さんや学校の先生は不登校初期にどうしてもこの子は頑張れば学校に行けると頑張ってしまいます。

しかし、お子さんにとっては味方で居てほしい学校の先生や保護者さんが「自分のことをわかってくれない」と感じてしまうと学校はもちろん家の中にも安心できる場所が無くなってしまいます。

結果的に「不登校」に加えて「引きこもり」の状態につながってしまいます。


②子どもが自分を責めてしまう。
不登校のお子さんは「でも、学校に行ったほうがいいんだよな」「みんなみたいに学校に行きたい」と考えているお子さんは実は多いのです。

そう感じているお子さんに対して「甘えている」「学校に行くべき」と周囲の大人が伝えてしまうとお子さんは自分自身のことを責めるようになってしまいます。

「自分ってなんてダメなんだ」「自分は人に迷惑をかけている「人生終わった」など思い詰めれば思い詰めるほど気持ちが辛くなり学校との距離が遠ざかってしまいます。


③保護者さんが自分を責めてしまう
不登校が「甘え」だという考えが社会に広がると、必然的に保護者さんへの批判も増えて行きます。

保護者さんへの批判が増えて行くと、保護者さん自信が自分自身を責めてしまう状況に繋がります。

「私なんて親失格」「私が親じゃなきゃこの子は幸せだったかも」などです。

保護者さんの自分を責める思いは徐々にお子さんに向かうようになります。

お子さんにとって最後まで味方で居てくれると思っていた保護者さんから怒りの感情を向けられたお子さんは絶望してしまいます。

 

学校に行かないと決めたお子さんを認める
●学校に行かないという決断

「学校に行かない」ということ自体が勇気のいるお子さんの決断です。

日本には毎年何人も「学校に行かない」という決断を出来ずに自ら命を落とすお子さんがいらっしゃいます。

まずは、命を捨てずに「逃げること」を決断したお子さんを認めてあげることが大切です。

不登校になる前に「学校・家」以外の居場所を作っておく

不登校は誰にでも起こりうる状況です。特に発達障がいをお持ちのお子さんにとっては「学校」という集団行動を前提とした環境は適応できない可能性はそこまで低くありません。

保護者のレスパイトの目的としても家と学校以外の「居場所」を作ることは大切です。

しかし、不登校になった状態から「居場所」を作ることは容易ではありません。

母子ともに疲れ果てて探すエネルギーがないからです。

事前に家と学校以外での居場所を見つけて通うことをお勧めします。
居場所があるお子さんは不登校になりにく(かも)
これは私が運営している放課後等デイサービスだけでの肌感覚ですが、幼少期から児童発達支援や放課後等デイサービスを利用しているお子さんで、学校に行けなくなるお子さんは少ない印象です。

その理由として考えられる要因として
  • お子さんが学校でトラブルがあっても話せる相手がいる
  • 保護者さんの相談を聞ける場所になる
  • 学校の先生とデイサービスの連携
  • お子さんの様子をチェックする大人が増える

などが考えられます。

デイサービスやその他の福祉サービスを利用していると、事が大きくなる前に保護者さんだけではなく皆んなで考えて動く事ができます。


今日は「不登校は甘え?それとも?」について書かせていただきました。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

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