放デイブログ

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発達障がい児童への理学療法の重要性について

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放課後等デイサービスの2021年度の法改正として「専門的支援加算」が創設されました。

この加算が創設されたことによって施設にリハビリ職や心理職などの人員基準を満たすことで単位が加算されることになりました。

放課後等デイサービスにリハビリ職を配置するということに対して放デイ側から否定的な意見も聞こえてきます。

「ウチは発達障がいのお子さんが中心だから作業療法や言語療法まだいいとして、理学療法士は必要ないよ」

確かに、小学生以降の発達障がいのお子さんはまず、歩行も獲得していますし、不器用さはあっても運動に極端な不自由がない方がほとんどです。

でも、実は発達がいのお子さんに理学療法はとても大切なんです。一緒に考えていきましょう。

理学療法士の得意分野とは?
理学療法士ってどんな仕事なのか皆さんご存知ですか?このブログの著者である上野も実は理学療法士です。
皆さんがイメージしやすいのは、、

「病院のリハビリ室で頑張って歩行の練習をしているおばあちゃんに優しく横から声かけをしている白衣を来たお兄さん」

ですかね。笑

だいたい正解です。

もう少し抽象的に説明すると、「大きな体の動きのエキスパート」です。

大きな体の動き(粗大運動と言います)とは立ったり歩いたり、寝転がったり起き上がったりなどです。

手先を使うような細かい動き(巧緻動作と言います)は作業療法士さんの方が得意かなと思います。

注:すごくざっくりと説明してますのでリハビリ職の方怒らないで

動くためには体のイメージ作りが大切
●知らない自分の体は動かせない
皆さんイメージしてください。急に「あなたには実は3本目の手が背中に生えています」と誰かに教えてもらったとします。

あなたは教えてもらうまでその事実を知りませんでした。教えられても、3本目の手がある感じがしません。

「では3本目の手を動かしてください」と言われました。

動かせそうですか?

無理っぽいですよね?笑

●運動を起こすには自分の体のイメージが大切
私たちが体を動かすためには①体があるということを認識する②体の形を知る③体を動かすための感覚を感じられることが必要です。

③は例えば耳を動かせない人は耳を動かす感覚を感じることができないですが、動かせる人はその感覚を感じられています。

これらをボディーイメージと言います。
ボディーイメージが乏しい発達障がいの子ども達
自閉症スペクトラムのお子さんのはボディーイメージが乏しいことが多い

発達障がいのお子さんの中でも特に自閉症スペクトラムのお子さんは自分の体のイメージを正しく持ててない方が少なくありません。

原因として
  1. 正常発達から逸脱した発達によるもの
    体のイメージは、赤ちゃんの時期の運動の獲得の中で身についていきます。自閉症スペクトラムの方の中には正常発達と少し違った独自の発達過程で歩行獲得まで進む方もいらっしゃるため、体のイメージがアンバランスになる場合があるかと考えらえます。

  2. 感覚過敏や鈍麻によるもの
    自閉症スペクトラムの方の中には、感覚の過敏や鈍麻な部分がある方がいらっしゃいます。感覚が鈍麻な方は自分の体のイメージを持ちにくい場合があります。

  3. 視覚優位
    目で見たことを中心に認知する「視覚優位」が強いお子さんの場合は、見えない体の後ろ側のイメージが持ちにくい場合があります。

●ボディーイメジが乏しい問題点


ボディーイメージが乏しいと運動が協調的に行えずに不器用な動きになり転びやすかったり、体の後ろ側のイメージが乏しいと猫背のような姿勢が日常的に続き大人になって腰痛や頚椎症などの原因になります。同じ姿勢や運動を長年続けていると体の局部にストレスがかかるからです。
理学療法でボディーイメージ作り
先にも説明した通り、理学療法士は「大きな運動」の専門家です。
ボディーイメージが乏しい発達障がいのお子さんに対して「楽しく遊びながら」お子さん達に自分の体のイメージを高めるリハビリプログラムを提供することができます。

お子さん達は自分の体のイメージが高まっていくと、運動が楽しくなったり、今までと見える世界が変わり自分見る世界が変わることで活動の幅が広がったりもします。

例えれば自分の3本目の手が急に感じられるようになって自由に動かせる感じです。イメージしただけでも出来ることが増えるような気がしませんか?笑


今日は「発達障がい児童への理学療法の重要性について」について書かせていただきました。

最後まで読んでいただきありがとうございました。


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