放デイブログ

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ASD(自閉症スペクトラム)の子の特性を理解し支援に繋げよう



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自閉症スペクトラム症をご存知でしょうか?自閉症スペクトラム症の方に共通する特性としては「対人関係を調整することの難しさ」「こだわりの強さ」が主な特性であり発達障害の一つです。

それぞれの特性の強さや現れ方はお子さんによって違いがあります。

ある特性が特に強い場合や、成長に伴い特性が変化していくケースもあります。

前回記述したADHD同様に特性を完全になくすことは難しく、ご本人にあった環境調整を行うことが生活や就労をうまく進めるポイントになります。


対人関係に対する苦手感
自閉症スペクトラムのお子さんは他人との関わり方やコミュニケーションの取り方に独自のスタイルがあります。

  • 相手の感情といった曖昧なものを理解したり察したりが苦手です
  • 事実や理屈にに基づいた行動を好みます
  • 柔軟に人と関わることが上手くできないため誤解を生む場合がある

乳幼児期のチェックポイント

    • あやしても目が合わなかったり反応が乏しい
    • 「バイバイ」の際に手のひらを自分に向ける
    • 人見知りがない
    • セリフを棒読みするような話し方、大人びた言葉使い
学齢期のチェックポイント

  • 表情や視線から相手の感情を汲み取ることが苦手
  • 相手の感情を感じ取りにくいため、その場に合わない発言をしてしまう
  • 自分の興味があることには、相手のペースを気遣わずに話しすぎてしまう
  • 臨機応変に作業や役割をこなすことが苦手
こだわりの強さ

   自閉症スペクトラム症のお子さんは幼少期から特定のものごとのルールや法則性に強いこだわりを示します。自分の関心や方法、ペースを維持することを最優先にしたいといった志向が強い方が多いです。
興味がある活動では良い結果が出やすい一方、興味がない領域では苦手意識が強く生まれやすいです。

特徴的なポイント
  • 手や足をばたつかせたり、ぴょんぴょん飛び跳ねたり同じ行動を繰り返す
  • 何かを行う際の手順や物の並べ方などに強いこだわり
  • 電車や昆虫、数字など特定のものごとに深く狭い興味を持つ
  • 一つのことに集中しすぎて周囲が見えなくなる

 

その他の特性
全てのお子さんに当てはまるわけではありませんが、自閉症スペクトラムのお子さんの中には音に過敏な方や特定の触覚に過敏で苦手な方、逆に痛みやその他の感覚が感じ取りにくい方、体の不器用さなどの特徴を持つ方がいらっしゃいます。

 

自閉症スペクトラム症のお子さんの強み
自閉症スペクトラム症のお子さんの中に特性を強みとして社会で過ごされている方がいらっしゃいます。
  • 一つのことを深く掘り下げて学べる姿勢
  • 他者の意見に惑わされずに目的に向かって努力できる
  • 高い記憶力
  • 特定の感覚を捉えることに秀でている
ADHDのお子さん同様に捉え方次第では障がい特性は、お子さんが生きにくい「障害」にもなり得ますし「能力」にもなりえます。

お子さんが持つ特性が「能力」として生かされる環境を見つけることで、趣味や仕事で充実した人生を送られる方もいらっしゃいます。
二次障害を防ぐ

人付き合いの苦手さや、こだわりの強さは一次的な課題として、療育や教育的支援によって課題を軽減していくことが可能です。

一方で二次的な問題(二次障害)は生活の中で本人が受ける過剰なストレスやトラウマが引き金となって生じます。

  • 特性による行動に対して過剰に叱責され続ける
  • 同世代の子供たちからの「からかわれ」「仲間外れ」
  • 学業に対する失敗体験
    など
●二次障害の症状
  • 身体症状(頭痛、腹痛、食欲不振など)
  • 精神症状(不安、鬱、緊張、興奮しやすさなど)
これらの要因から不登校や引きこもり、自傷行為につながる可能性があります。

二次障害の予防に必要なこと
二次障害の予防に必要なポイントとして、早期からお子さんの特性に気づいてあげて理解し、ストレスが感じにくい生活習慣や環境を整えることが大切と言われています。気になる症状が現れた場合は医療機関への受診や専門家への相談をお勧めします。

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今日のテーマは「ASD自閉症スペクトラム)の子の特性を理解し支援に繋げよう」でした。

最後までお読みいただきありがとうございました。